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夕刻の町屋だろうか。右手に団扇(うちわ)を持つ女性が、欄干越しに外を眺めている。題名から推測すれば、彼女は「月」の出を待っている……ということになる。 なぜこの美人画が「兎(うさぎ)」と関係するのか。よく見ると、彼女の帯の文様は「波に兎」である。つまりこの文様が、ここに不在の「月…