ジミー・ジョンソン、マイク・ロッケンフェラー、ジェンソン・バトンが、ヘンドリック・モータースポーツがオペレートするNASCARガレージ56プロジェクトのドライバーとして、2023年のル・マン24時間レースへの参戦を目指すことが発表された。“オールスター”トリオは、6月10〜11日にかけて開催されるフランスの耐久クラシックレースの100周年記念大会に設けられる特別参戦枠『ガレージ56』に、改造版“Next Gen”車両のシボレー・カマロZL1で参戦する予定だ。
このプロジェクトは、ヘンドリック、NASCAR、IMSA、グッドイヤーのコラボレーションとして、2022年のセブリング12時間レースで発表されていたもの。1月28日、彼らはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦が開催されているデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで記者会見を開き、このドライバーラインアップを発表した。
なお、車両の技術的な詳細はまだ確定していない。
■「夢の数々がひとつのイベントで実現する」とバトン
このNASCARマシンは、ハイパーカー、LMP2、LMGTEアマクラスのマシンとともにグリッドに並ぶが、“革新的”技術を伴うエントリーとして、賞典外でレースに参加することになる。
NASCARカップ・シリーズで7回の優勝を誇るジョンソンは、ル・マン出場経験を持つふたりのドライバーを伴って、フランスの耐久クラシックにデビューを飾る。
ロッケンフェラーはアウディから出場した2010年に総合優勝を果たしている。2009年のF1ワールドチャンピオンであるバトンは、2018年にSMPレーシングからLMP1クラスに参戦した。また、コルベット・レーシングのファクトリードライバーであるジョーダン・テイラーが、リザーブドライバーとして参加する。
バトンはこれまで、通常の環境でもNASCARの車両をドライブしたことがないという点で、驚きの加入となった。
「生涯にわたるレースファンとして、僕はいつも信頼できるクルマで、信頼できるドライバーとともに、確信が持てるイベントへの参戦を夢見てきた」とバトンは語っている。
「6月には、世界で最も権威のあるレースの100周年記念大会で、仲間のジミーやロッキーと一緒にNASCARを世界の舞台で披露することになり、その夢の数々がひとつのイベントで実現することになるんだ」
「NASCAR、ヘンドリック・モータースポーツ、シボレー、グッドイヤー、そして世界中の現在と未来のNASCARファンとこの冒険を共有できることを、本当に楽しみにしている」
一方、ジョンソンとロッケンフェラーは、先月のセブリング・インターナショナル・レースウェイでのテストを含め、すでにヘンドリックのガレージ56開発プログラムに深く関与している。
2022年8月にシェイクダウンを迎えた改良型カマロは、セブリング、バージニア・インターナショナル・レースウェイ、カロライナ・モータースポーツパーク、ミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタなど、アメリカ内のいくつかのサーキットで走行を重ねている。
「とても興奮している。いつかル・マン24時間レースに出場することは、一生のうちにやりたいことのリストの一番上にあったんだ」とストックカー・レースにおける伝説的ドライバーであるジョンソンは言う。
「このような機会を得ることができ、このドライバーラインナップと組むことができるのは、本当に素晴らしい。その一部になれることに、感謝しているよ」
ロッケンフェラーは「チームとプロジェクト全体で、いまのところ素晴らしい旅ができている」と付け加えた。
「プログラムの初日から現在までドライバーとして参加できたことはすでに大きな名誉だし、さらにル・マンでジミーとジェンソンがチームメイトとして一緒にいるなんて、信じられないことだよ」
NASCARの会長兼CEOであるジム・フランスは、「ガレージ56プロジェクトが始まった当初から、世界のトップレーサーと組んでル・マンを走ることが我々の目標だった」とコメントしている。
「ジミー、ロッキー、ジェンソンというラインアップは、まさに我々の夢見たものであり、世界のモータースポーツの最高峰で勝利を収めてきた3人のエリートドライバーたちだ」
「NASCARの75周年を祝うにあたり、これらの世界的なチャンピオンが、ル・マンをはじめとする世界中のファンに、NASCARのレースカーの姿とサウンドを届ける手助けをしてくれることを光栄に思う」