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 マクラーレン・レーシングのザク・ブラウンCEOは、2022/2023年“シーズン9”から同チームがABB FIAフォーミュラE世界選手権に参戦するに至った理由を説明した。

 2021/2022年シーズン8をもってシリーズを撤退したメルセデスEQフォーミュラEチームを引き継ぎ、マクラーレンは今季よりフォーミュラEへの参戦を開始した。同社CEOのブラウンによると、この決定の背景にはふたつの理由があったという。

 1月に開幕したフォーミュラEは9年目のシーズンを迎え大きく変化を遂げ、王者メルセデスEQが撤退し、新型シャシー“Gen3”が導入された。『RacingNews365』によると、この変革はシリーズを「リセット」するものであり、マクラーレンにとって参戦の「絶好の機会」だったとブラウンは語った。

「メルセデスがこのスポーツを去ることを決定し、Gen3が導入された。私たちには(シリーズが)少しリセットされたように感じたんだ。もちろん学ばねばならないことはたくさんあるけどね」

「過去2年、この世界選手権を制したイアン・ジェームズが率いるチームをそのまま引き継ぐということは、勝つための方法をすでに知っている既存のチームと一緒に走り出す絶好の機会だった」

群雄割拠のフォーミュラEを戦うレネ・ラスト(ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム)
群雄割拠のフォーミュラEを戦うレネ・ラスト(ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム)

 既存チームをそのまま利用したとはいえ、すでにF1、インディカー、エクストリームEといったシリーズにも参加するマクラーレンにとって、フォーミュラE参戦は負担ともなりうる。それでも彼らがこの決定を下したもうひとつの、そして「究極の」理由はエクストリームEでの成功であり、電動モータースポーツへの積極的な関与を進めたいというチームの意向だった。

「極めて短期間で、私たちはエクストリームEがファンや従業員、パートナーにとってどれだけ大きな成功を収めたかを目の当たりにした。そして、『よし、倍にしてやろう』と思ったんだ。持続可能性は私たちにとって重要だからね」

 マクラーレンのフォーミュラE初戦ではジャック・ヒューズが5位に入り、レネ・ラストは他者との接触により18位でレースを終えるも、第2戦ではラスト5位、ヒューズ8位とダブル入賞を飾っている。

『ネオム・マクラーレン・エレクトリック・レーシング』としてフォーミュラEとエクストリームEに参戦するマクラーレン
『ネオム・マクラーレン・エレクトリック・レーシング』としてフォーミュラEとエクストリームEに参戦するマクラーレン