全国的には無名でもご近所ではそこそこ有名……。そんな、今でいう“映えない”んじゃないか? ってなスポットに、稀代のコラムニスト カーツ佐藤が無理矢理スポットライトを当ててまいります……(第16回)。
※本稿は2022年7月のものです
文/カーツ佐藤、写真/Adobestock(メイン写真=Daigo Hoya* / 保谷提吾@AdobeStock)、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年12月26日号
読者の皆様は、東京駅構内で過去に2度も時の内閣総理大臣が暗殺されていることをご存知でしょうか?
犠牲になられたのは浜口雄幸首相と原敬首相。
そして、この事件を記した銅板のプレートが構内の事件現場近くにそれぞれ設置されている。
新幹線中央のりかえ口近くには『浜口首相遭難現場』。丸の内南口きっぷうりば横には『原首相遭難現場』と銘が打たれたプレートがあるのだ。
公共の場に『暗殺』なんて物騒な単語使うのもちょっと……という配慮から『遭難』って言葉が使われてるんでしょうが、浜口首相は一時は快方に向かったものの、9カ月後にこの時に刺されたことが原因で死亡。
銃で撃たれた原首相にいたってはほぼ即死。紛うことなき暗殺ですよ。
で、この2枚のプレートのまたすぐ近くに『ここが実際にその事件が起きた場所』ということを示すため、床にマークが埋め込められている。
しかし、これが知らない人には「なにがなにやら」サッパリわからない『映えないとはこのことか!』ってくらいに地味なマーク!
浜口首相のほうはまだ70cm四方ほどの石版プレート自体がほかと違うデザインになっているけど、原首相のほうは、直径3cm程度の丸いマークがチョロッとあるだけ!
知ってる人でも探すのが難しい、もはや『映えない』を超えた『見えない』レベル!
もう少し、この事件を後世に伝える工夫はなかったのか? と私のような人間ですら思わず抗議したくなる、大事件が起きた場所とは微塵も感じさせぬ冷遇っぷり!
それにしても、日本でテロで命を落とした首相と首相経験者は最近の安倍元首相も加えて3名。いや二・二六事件のようなクーデターや伊藤博文のような海外での事件もあわせればもっと多い。
で、銃社会で「危険だ危険だ」と言われてるアメリカで暗殺された大統領は4名。
もうなにが危険なのやら、結局は皆さん、使う人間の問題なんですよね。
自動車も同じですよ。便利極まりない自動車も、使う人の気の緩み次第では凶器になるんですから。『ベストカー』読者の皆様も、安全運転の再認識をしていただきたい、です。
……以上、超月並みにまとめてみました。
●『東京駅構内遭難現場』東京都千代田区丸の内1丁目 東京駅構内
●映えない度…★★★(直径3cmのマークが寂しい)
※「映えない度」は最高3つ★
●今回の出費(電車賃)…新丸子─武蔵小杉-東京駅、往復で880円
【画像ギャラリー】正直知らなかった… 東京駅の知られざる歴史スポットをギャラリーで見る(4枚)画像ギャラリー
投稿 1日の利用者数80万人超!! 東京駅の知られざる歴史スポットで安全運転について考える│日本映えない紀行 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。