<p>大阪は「食い倒れとお笑い」だけじゃない 中之島美術館1年で50万人突破の秘密</p><p>大阪は「食い倒れとお笑い」だけじゃない 中之島美術館1年で50万人突破の秘密 近頃の美術館の集客に欠かせないのが、写真映え。常時あるスポットもインパクトは強烈だ。大阪出身の現代美術家、ヤノベケンジの彫刻「ジャイアント・トらやん」は高さ7・2メートルもある。</p><p>大阪中之島美術館(大阪市北区)が来月2日で開館1年を迎える。コロナ禍のなかでの船出となったが、昨年11月には入場者が50万人を突破。年末には大阪商工会議所の「…</p><p>確かにちょうどコロナ禍の谷間の開館だったこともあって、スタートは順調だった。最初の「超コレクション展」(2月2日~3月21日)で、これまで収集した名品を惜しげもなく展示すると、いきなり10万人超え(約12・7万人)のヒットを放つ。 「ここで予定より多くの方に入っていただけました。展覧会2つ分の作品を出しましたから、『もう一回来ます』という入場者もいらっしゃいました」 さらに4~7月の「モディリアーニ展」で約14・6万人、7~10月の「岡本太郎展」で約16・3万人と、たて続けに10万人超え。11月に、早々と50万人を突破した。 地域の支持 アンケートしたところ、大阪府内からの入場者が6割を占めた。「準備室に勤務していたころ、ミナミで飲んでいたら『美術館なら京都、神戸にあるから、人来いひんで。違うもんにおカネを使おうや』といわれたことがありました。でも、大阪の人特有のテレ。本当は美術好きなんです」 黒一色の外観が目を引く大阪中之島美術館(南雲都撮影) 大阪といえば食い倒れとお笑い。「趣味・美術鑑賞」というのはどこか気恥ずかしい意識があるのだろう。「美術も、大阪のキャッチフレーズ、コンテンツに数えていいんだというところから、潜在的なニーズを掘り起こせたのでは」 コロナ禍という状況のなかで存在していくためには地域の人たちの支持が不可欠だと考える。「ここ(大阪)にある意味・役割を考えたとき、自分たちの美術館だと思ってもらわないといけないのだと思います」 そのため、展示の軸になるのは、やはりコレクションだ。「ことしは今月から『大阪の日本画』、そして4月からは『佐伯祐三』をやります」 映えるスポットに 近頃の美術館の集客に欠かせないのが、写真映え。9日まで行われた「具体展」ではトイレを美術家、向井修二のインスタレーションで飾るなど、作家とコラボレーションした作品で話題を集めたが、常時あるスポットもインパクトは強烈だ。 まず、4階にある大阪出身の現代美術家、ヤノベケンジの作品「ジャイアント・トらやん」。なんと高さ7・2メートルの巨大な彫刻である。屋外にもヤノベの「SHIP’S CAT(Muse)」が展示してあり、こちらは通りかかった人でも気軽に記念撮影できる。 2~4階を貫く巨大エスカレーター(南雲都撮影)</p>