もっと詳しく
月販1万台オーバーで売れすぎ!! アルファードバブルが間もなく崩壊する!?

 長期間待ってやっと納車するも、頼んだオプションパーツはさらに遅れている……なんてことが増加中。でも購入した人の気持ちを考えると、なんか損な気も。これは我慢するしかないのか!? ※画像はイメージです

文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部

■ナビだけじゃない!! 今やスマートキーまで遅れる事態に

通常2つ付属するスマートキーをクラウンシリーズやハリアーなど一部の車種は1つに!! さまざまな対応がなされている真っ只中
通常2つ付属するスマートキーをクラウンシリーズやハリアーなど一部の車種は1つに!! さまざまな対応がなされている真っ只中

 2021年夏ごろから、半導体不足を一因として、様々なパーツの生産停止が相次いだ。大きな話題となったのは、トヨタ系列でのナビキット不足である。

 ディーラー各社は案内(納期遅れによる謝罪)に急ぎ、影響を最小限で食い止めたわけだが、実際に納車が数か月遅れたり、納車時にナビを使用できない状態で引き渡されたりする例が続出した格好だ。

 同時に不足となったのがETC、そしてハーネス類やスマートキーなど、イレギュラーな対応は今も続いている。ユーザーが注文したクルマを、完全な状態ではないままで納車されるのは、果たしてどこまで許容すべきなのだろうか。

■パーツは後日……は本来NG!! 契約書の意味って!?

オーディオレス車の場合、ナビなどのオーディオは後日装着となるケースが増えている印象
オーディオレス車の場合、ナビなどのオーディオは後日装着となるケースが増えている印象

 自動車の注文は立派な「契約」だ。クルマの購入時に契約書は結ばれないが、取り交わした注文書が、ディーラーで新車を発注した瞬間に契約書へと意味を変える。

 厳密にいうと、クルマの売買契約が成立するのは、注文書の取り交わし時ではない。注文書の裏の「契約約款」には、次のような文言があるはずだ。

この注文による契約成立の日は各号のいずれか早い日とします。(ただし信用購入あっせん契約の場合はその契約の定めるところによるもの)

・自動車の登録がなされた日

(中略)

・注文により販売店が改造、架装、修理に着手した日

・販売店がユーザーに自動車を引き渡した日

 一般的には登録(ナンバープレートの交付)が行われた瞬間に、契約が成立する。この時点で、約款に記載されている「契約」についての項目が効力を持つということになるのだ。

 契約約款には、次のような記載もある。ユーザーが自動車の引き渡しを受ける際、注文した自動車と相違なく、(中略)引き渡しを受けるものとし、引き渡しを受けた後は、引き渡し時に確認可能であった事項については異議の無いものとします。

 つまり、本来であれば、注文書の内容と異なる状態で引き渡しを受けることはないということだ。現在常態化しつつある、オプション不足等の状態で、車が引き渡される状態は、契約上の大幅なイレギュラーであるということを理解しておく必要があるだろう。

 こうした状態で、やむなく車を受け取る際には、後から「言った、言わない」のトラブルなどが起きないように、引き渡しの現状や今後の対応について、文書等の残る形で、やり取りをしておく方が良いと思う。

■未完成品でも納車をオススメ!!

三菱 アウトランダーPHEV
エアロパーツなどが遅れるケースも装荷中。納車してから数か月後にやっと注文通りに完成!! というユーザーも

 昨年夏頃のナビキット等が生産停止なった最中のトヨタディーラー新車プールは、散々な状態だった。クルマは来ているのに部品不足で納車が出来ず、新車プールが溢れそうになるほど、納車待ち(部品取り付け待ち)のクルマが並んでいたのだ。

 ここま契約という話をしてきたが、新車を注文したユーザー各位にお願いしたいのは、ある程度我慢できる状態であれば、オプション等が不足している状態でも、クルマを受け取ってほしいということ。(ただし、受け取り時には「イレギュラー」に必要な対応を取ってほしい。)

 2022年12月23日には、トヨタがスマートキーとメカニカルキーを1個の状態で納車する(一部車種)という暫定装置の継続を報告している。1日でも早く、楽しみにしているユーザーの元へ新車を届けたいという思いは、メーカーもディーラーも同じだ。

 反面、高額なお金を払い、オプション不足で納車されるということは、購入者側としては損だと思う。部品不足の状態は、車両価値としてユーザーが支払ったお金に対して満額の商品ではないということになるからだ。

現状の納車体制は、ユーザー側に大きな負担と我慢を強いていることを、メーカー・ディーラーともに強く心に刻み、ユーザーの気遣いに感謝の意を表すべきだろう。(いつまでも謝り続けるのも関係性を悪化させる。)

 その上で、日本の基幹産業であり、国民の生活を支える「クルマ」を、関係する全ての人の力で支えながら、あと数年続きそうな難局を乗り越えていきたい。

 みんな大変でみんな苦しい今、思い出したいのはクルマが「笑顔」を作り出すものということだ。少しでも早く、多くの笑顔がクルマに乗る人はもちろん、作る人、売る人の間でも見られるようになるよう、事態の早期回復を願う。

【画像ギャラリー】ハリアーなど人気車が大賞!!スマートキーが1つだけのクルマたち(6枚)画像ギャラリー

投稿 純正オプションはおあずけ!? パーツが来ない今って冷静に損じゃないか!?自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。