2023年3月10〜12日に『ニューカッスル500』で新時代幕開けの日を迎えるRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップだが、新車両規定“Gen3”に則して製作された『シボレー・カマロZL1スーパーカー』を投入するトリプルエイト・レースエンジニアリングは、長距離レースでセカンドドライバー登録が認められる、いわゆる“エンデューロ・カップ”戦にて、ニュージーランド出身のリッチー・スタナウェイを起用すると発表。昨季2022年に自身2度目の王者に輝いたエース“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンと、新たな“Kiwi(キウィ/ニュージーランド出身者)”ペアを結成する。
2011年には国内のF3選手権でタイトルを獲得し、同世代のスコット・マクラフランやブレンドン・ハートレー、そしてニック・キャシディらと並ぶ才能と目されていたスタナウェイだが、2018年を最後にスーパーカーのシートから離れることを決断。その際に自身も語ったように「プロのレーシングドライバーとしてのキャリアに終止符を打つ」とし、実質的な引退を表明していた。
その後、シリーズ最大の“祭典”でもある『バサースト1000』に向け、同郷の大先輩グレッグ・マーフィーとワイルドカード枠での参戦を模索したが、こちらも幾度となく支援者の事情や新型コロナウイルス(COVID-19)に翻弄される状況が続いてきた。
そのスタナウェイに対し、ホールデン改めGMシボレー陣営のファクトリーチームを務めるトリプルエイトことレッドブル・アンポル・レーシングは、2023年に向けペンライト・グローブ・レーシングに加入したガース・タンダーの後任として、早期引退を翻意させるべくチャンピオンのサポートを託すことを決めた。
「2023年にチームに加わることに非常に興奮している」と、まずは喜びを語った現在31歳のスタナウェイ。「これは僕にとって大きなチャンスであり、このような素晴らしいチームと仕事ができることにとても感謝している。昨年バサーストでワイルドカードのプログラムを実行した後、これは僕にとって可能な限り最高の展開だ」と本人が語るとおり、2022年にようやくシリーズ復帰を実現し、エレバス・モータースポーツから参戦した1回限りのマウントパノラマで11位フィニッシュを達成した。
■「チームを組むことができてワクワクしている」と新僚友に期待を寄せるSVG
「間違いなく、このカテゴリーで最高のドライバーを擁する環境で、最高のチームのためにドライブすることはコ・ドライバーとして最高のシナリオだよ。どう考えても、これ以上のものを求めることはできないね」と続けるスタナウェイ。
「今のところ、できる限りの準備をして、レースでのマイレージを可能な限り上げることが目標だ。鋭さを維持するためシミュレーターで多くの作業を続けるつもりだし、それが2022年のバサーストに向けて準備した主な方法でもあったからね」
一方、2022年は最終戦『ヴァロ・アデレード500』を前に圧倒的な強さでシリーズを席巻し、年間21勝のシーズン最多記録(前記録保持者はマクラフラン)を更新したSVGも「今季、こうしてリッチーとチームを組むことができてワクワクしている」と、新たな僚友に期待を寄せる。
「昨年、彼がグリッド戻ったのを見るのは最高だったし、バサーストではマーフィと素晴らしい仕事をした。とくに(2023年のカレンダーで)『サンダウン500』が復活したことを考えると、今季のエンデューロ・シーズンは彼がチームと知り合い、クルマの感触と僕ら全員がどのように働いているかを理解する機会を与えるはずだ。それは本当にクールだろうね!」と、昨季は地元戦でWRC世界ラリー選手権デビューも果たし、いきなりWRC2クラス表彰台も獲得しているチャンピオン。
「それにリッチーはドライバーとして申し分のない実績を挙げており、2017年にはその『サンダウン500』で優勝を飾っている。トリプルエイトでは、彼が良い結果を得るのを助けるあらゆる機会を持っていると思うし、彼は我々にとって大きな資産になるだろう」
「リッチーができるだけ早くチームの一員になるべく、僕らがどのように物事にアプローチし、週末を進めていくかを学ぶため、すべてのテストデイとライドの機会、そしておそらく年間を通していくつかのレースに彼は帯同する。だから、ドライブするときが来たら、彼にはもう準備ができているだろうね!」