KerastaseのスマートヘアブラシやYSLの口紅ポッド等、L’Orealの技術革新が度々取り上げられています。この化粧品会社は、CES 2023に「HAPTA」を携えて出展しました。HAPTAは、手や腕の動きが制限されている人々を支援する、AI駆動の手持ちのメイクアップアプリケーターです。HAPTAには、Alphabetのライフサイエンス専門の研究機関であるVerily Life Sciencesによって開発された技術が取り入れられています。Verilyとしても知られる同社は、手や腕の動きが制限されている人々が、より簡単に食事出来るように、調理器具の安定化技術を開発しました。
L’Orealは、HAPTAの目標は、この技術をメイクに応用することであると説明しています。
CES Unveiledで展示されていたこのデバイスはプロトタイプであり、L’Orealは今後製品を発売する予定です。この製品は機械学習を使用して、それぞれの人が持つ特定の動きのパターンをモニタリングすることで操作性を向上させます。
このプロトタイプは、内蔵されたスマートモーションコントロールとカスタマイズ可能なアタッチメントを組み合わせて、ユーザーの可動範囲を改善します。磁気アタッチメントにより、360度の回転と180度の屈曲が可能となっています。正しい位置が定義されると、その後の使用のために、ユーザーはカスタマイズされた設定をロックすることが出来ます。HAPTAは、1回の充電で1時間の連続使用が可能で、10回塗ることが出来ます。内蔵バッテリーのフル充電には、3時間かかります。
HAPTAのようなデバイスが、ユーザー補助機能を優先するのを見るのは励みになります。ユーザー補助のためのテクノロジーは長年にわたって改善されてきましたが、障害の無い人々が当たり前と思っている日常のタスクに関しては、多くの場合不十分です。このようなスマートデバイスはより”実用的”な取り組みかもしれませんが、化粧は自己表現のために誰もが行うことが出来る芸術形式でもあります。
L’Orealのリサーチ、イノベーション、テクノロジーを担当する副CEOのBarbara Lavernos氏は、次のように述べています。「我々は、全ての個人の究極の欲求、期待、満たされていないニーズを増強し、それを達成するために、新しい技術を活用した美容サービスを開発することに専念し、情熱を注いでいます。」
Lancômeのグローバルブランドプレジデントを務めるFrançoise Lehmann氏は、「誰もが平等に化粧を出来る必要があり、HAPTAを使用して美しさをより身近なものにすることで、我々はさらに一歩進んでいます。」
L’Oréalが保有するLancômeによって2023年に行われた、HAPTAの最初の試験運用では、口紅に焦点が当てられており、今後さらに多くの化粧品に応用されていく予定です。
この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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