マイクロソフトがWindowsを搭載したPCシステム、および現行のGPU&NVMe SSD向けにDirectStorage 1.1をリリースしたことで、AMD、インテル、NVIDIAの最新GPUの性能ベンチマークが比較されるようになった。
DirectStorage 1.1ではIntel、AMD、NVIDIAのグラフィックアセットの解凍が改善されたが、青チームの方が若干良い結果になっている
ウェブサイトCompusembleが開発した最近のベンチマークテストでは、同サイトのYouTubeチャンネルでその威力を直に披露しています。見やすいように、以下に動画を用意しました。
このAPIにより、CPUは大きなタスクに必要なクリティカル・サイクルの数を減らし、OSが引き継いでプロセッサを高いレベルで使用することなく、「高並列」グラフィックカードを通じてゲーム資産を解凍することができます。
MicrosoftによるDirectStorage 1.1は、NVMeストレージがデータを要求する際に、プロセッサにかかる負荷を制限します。
DirectStorageを通じてアセットを圧縮・解凍する際に使用されるアルゴリズムにより、NVMe SSDが一般的に処理できると期待されるができないものよりも高いデータレベルを動かすことができ、大部分はアセットをロードする時間を制限しているのです。
PC Games Hardwareは、Compusembleのベンチマークテストを取り上げ、市場でトップクラスの3つのグラフィックカードを比較し、データの解凍を最もうまく処理するのはどれか、ということを検証しました。同サイトがテストした3つのGPUは以下の通りです。
- AMD Radeon RX 7900 XT
- インテル Arc A770
- NVIDIA GeForce RTX 4080
3つのグラフィックスカードはすべて、Alder Lake世代のインテルCore i9-12900Kプロセッサーと組み合わせて使用しました。
3枚のグラフィックスカードとも、インテル・プロセッサーよりも2.5倍近くも解凍処理を行いました。
“アセットの解凍 “に関しては、Intel Arc A770 GPUがAMDやNVIDIAを上回る性能を発揮しました。
その結果、Intel Arc A770は16.8GB/sでアセットを転送・解凍できるのに対し、AMD RX 7900 XTは同じ情報を14.6GB/sと13%の差で処理したことが判明しました。
しかし、ロード時間が5秒から1秒以下に短縮されたため、3枚とも同じようにアセットを解凍しており、どちらの構成でもDirectStorage 1.1で改善されることに変わりはない。
ソース:wccftech – Intel Arc A770 Performs Above AMD & NVIDIA In DirectStorage 1.1 Performance Benchmark
解説:
いよいよDirectStrage時代到来
DirectStrageとはCPUで行っていたSSDからのゲームデータの解凍処理をGPUにオフロードして処理速度を上げると同時にCPUの負荷を減らす技術です。
PS5はSSDの命令をPC用のものより優先度を細かく分けることによって速度を上げています。
PS5のAPUはビデオメモリとメインメモリの区別がありませんが、PCの場合はありますので、こういった仕組みが必要なのでしょう。
基本的にはゲームのロード時間を短くする技術と解釈して間違いないです。
こんなことにビデオメモリを使ったら表示のために使うメモリが亡くなるのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし、現状では5Kでも純粋に表示に使われるメモリは4GBを超える程度です。(デスストランディングの場合)
元々、ゲームのデータをあらかじめロードすることに使っていますので、影響はほとんどないと言ってもよいと思います。
ベンチマークの結果を見るとSATAのSSDではCPUの場合と比べて全く差が付いていませんが、NVMeの場合、転送速度に2-3倍程度の差が付いています。
ゲームのデータは年々大きくなっており、そのうち、SATAのSSDではロードに時間がかかり過ぎて現実的ではないという時代が来るかもしれません。
今回の話はその中でもA770は頭一つ抜けて速いという話です。
結果を見るとSATAでも速くなっていますので、GPUのグレード(規模)とは別のところで差が付いているのかもしれませんね。
Intel GPU ARC Aシリーズ
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