AMD Radeon RX 7900 XTXのリファレンスモデルついてはGPUクーラーに問題を抱えており、数千台規模で交換が必要と言われていますが、このRadeon RX 7900 XTXのGPUクーラー問題が原因で初期不良率は約11%に跳ね上がる一方で、不具合の全容がわかっていないためAMDは新たな交換を一時停止している可能性が出ているようです。
AMD Radeon RX 7900 XTXのリファレンスモデルで発生中の高温問題、不良率は11%で交換品が間に合っていない模様
AMDのRadeon RX 7900 XTXについてはGPUホットスポット温度が最大値の110℃まで上昇し、パフォーマンスが制限されるという不具合が発生しています。この不具合自体はAMDなどからリファレンスモデルに採用されているベイパーチャンバーに問題があることが明らかにされており、不具合を報告したユーザーなどはすでに返品交換などを受け付けてもらえる事例もあるようですが、Igor’s LABなど第三者の調査によると問題規模はAMDの想像を遥かに超える状況になっているようです。
このRadeon RX 7900 XTXの不具合についてAMD自身も不具合の存在を認めており、CES2023にてAMDのRadeon部門長、Scott Herkleman氏はベイパーチャンバー内の水が適切料注入されていない事が原因で影響範囲はごく限られたパーセンテージ規模とのことです。そのため、影響を受けているユーザーについては修理交換を受け付ける用意があり、AMDのサポートに連絡するように呼びかけています。
しかし、Igor’s LABによるとこのRadeon RX 7900 XTXの故障率についてScott Herkleman氏が言う「数%」レベルにはなく、「最大11%」の不具合率であることがAIB各社などへの取材で明らかにされているようです。
この高い故障率が原因でIgor’s LABの拠点であるドイツのAMDサポートからはRadeon RX 7900 XTXリファレンスモデルの交換について以下のようなメールを受け取っているとのことです。
We understand that you want a replacement for your RX 7900 XTX. It is important to know that at the moment we are not able to replace your card as we do not have stock available in our warehouses.We can start the process as soon as the inventory is replenished, but right now we don’t have an estimated date for replenishment.
If you prefer a refund instead, we can process that refund immediately, and we will provide you with a return label so you can send the card back to our warehouse.
日本語訳:RX 7900 XTXの交換をご希望とのこと、承知いたしました。しかし、現在、当社の倉庫に在庫がないため、お客様のカードを交換することができません。
もし、交換ではなく返金を希望の場合、商品返送用ラベルをお送りしますのでその場合はお申し付けください。
AMDのRadeon RX 7900 XTXの交換を受け付けてもらえないという事例は1月7日にも複数件、明らかにされているようですが、Igor’s LABによるとこのすぐの交換は不可というのはAMDとして交換品が尽きているというより、同じような不具合が残されていないか、また他に大きな不具合などが残されていないかなど確認のため新たな交換は一時的に停止されていると推察しています。
問題のベイパーチャンバーのBatchナンバーは不明。
Igor’s LABが関係者に取材や品質保証、品質管理の観点で今回のRadeon RX 7900 XTXの問題を見るとかなりお粗末な部分があったようで、問題のベイパーチャンバーを識別することは不可能に近い可能性があるようです。
Igor’s LABによるとGPU本体やGPUクーラーにはロットナンバーが記載されているのですが、GPUクーラーのロットとベイパーチャンバーのロットが紐付けがされていなかった可能性が高く、問題を抱えているベイパーチャンバーが搭載されているか否かが判別できないようです。
そのため、例えRadeon RX 7900 XTXの交換品を手に入れたとしても同じような不具合に見舞われてしまう可能性は十二分にあるためAMDとしては交換対応を一時停止している可能性があると推察しています。
製造時に不具合が発覚しなかった理由は垂直置きしていたため?
ちなみに、なぜグラフィックスカードの製造段階で今回の件が発覚しなかったのかと言うとGPUの最終テスト工程でGPU配置に問題であった可能性も示唆されています。
画像はZOTAC製グラフィックスカードを製造するPC Partnerの最終チェック工程の画像ですが、グラフィックスカードの配置はRadeon RX 7900 XTXで高温問題が発生しない「垂直置き」となっています。おそらくRadeon RX 7900 XTXについてもスペース効率的に良い垂直置きでテストが行われたと考えられ、そのために不具合が放置されたまま出荷され、市場で見つかってしまった可能性もありそうです。
すぐに買えるかは分かりませんが、新型PS5と言われている『CFI-1200』のエントリーがAmazonで開始されていますので、欲しい方は早めのエントリーする事がオススメです。
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