ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、ハースが2022年シーズン開始を前にマゼピン家との関係を断ち切ったのは、その後チームが困難な時期に入ったとしても結果的に正しい判断だったと述べている。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ハースは一方的にウラルカリ社とのスポンサー契約を打ち切り、ペイドライバーのニキータ・マゼピンを解雇した。彼の父でオリガルヒのドミトリー・マゼピンは、ウラルカリ社の主要株主だ。
ハースはマゼピンの後任としてケビン・マグヌッセンを呼び戻し、ミック・シューマッハーのチームメイトとしたが、シュタイナーはこの変化によって必然的にF1シーズン序盤に向けたハースの準備が混乱したことを認めている。
「ウクライナ侵攻後、他の決断をすることはできなかった」とシュタイナーは『Speedcafe』に語った。
「振り返ってみても、我々は正しいことをしたと思う」
「財政的には影響は何もなかったが、シーズン序盤においては明らかに影響があった。望む場所に戻るにはやるべきことが多くあった。でもそれ以外では、一旦バーレーンでレースが始まってしまえば、F1での生活がどれだけ速く進むかわかる」
「振り返ることは決してなかった。ただベストを尽くすだけだ。我々にはチャンスがあり、それは挑戦だった。しかし挑戦はチャンスを与えてくれた。チャンスに集中して進み続けるのだ」
マグヌッセンがバーレーンでの開幕戦で5位という好結果を出したおかげで、ハースの努力は報われた。その後の3戦でマグヌッセンはさらに2回トップ10入りを果たした。シーズン中は浮き沈みがあり、ハースはF1コンストラクターズランキングで8位となったが、それまでのハースの結果は、2023年に向け新タイトルスポンサーのマネーグラム社を獲得するのに十分なものだった。
「まず、マネーグラムは財政面だけでなく、非常に堅実な優良企業だ。アメリカ企業だが75%の事業をグローバルで行っている」とシュタイナーは話した。
「彼らがF1への関与を望んでいるという事実は、F1がいかに素晴らしいかということを示しているし、彼らがハースを選んだのは、我々が正しい道を進んでいると彼らが考えたからだ」
「このことは我々の従業員とファンたちに、ハースがここに留まっているのだということを示すことになる。昨年は難しい疑問があったからだ」
「今では我々はパドックでも最も堅実なチームのひとつになったと思う。グリッドには堅実な10チームがあり、ハースはそのなかのひとつなのだ」
「彼らが我々とともに進むことを選んだという事実は、我々のやっていることが認められたということでもある。マネーグラムは堅実な会社だ。全体として、マネーグラムにはマイナス面はなく、プラス面があるだけだと考えている」