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龍[たつ]姫の突然の出現に、静[しずか]御前は驚きと不安の入り混じった顔を、衝立[ついたて]の方角に向けた。頼朝[よりとも]は久しぶりに龍姫を見て、思わず、と言わんばかりに御簾[みす]から姿を現した。 龍姫は、頼朝を刃物のような目で見つめる。 いったい何をするつもりなのかと、朝日[…