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 1月10日、ダカールラリー2023の後半戦がスタートした。

 エンジンの水温上昇という「持病」を抱え、冷却水を補給するために何度も停車しなければならない日野チームスガワラの日野600だが、それでも健闘し好走! 今大会の最大の山場と目される11日を前に、期待の持てる結果を残した。

文/トラックマガジン「フルロード」(日野チームスガワラSNSより)、写真/日野チームスガワラ・ASO

リヤド~ハラド間で後半戦がスタート

いよいよ後半戦がスタート! ステージ9は水温上昇と戦いながらも日野チームスガワラ健闘!【ダカールラリー2023】
冷却水のトラブルについて語る菅原照仁

 この日はリヤド~ハラド間で359kmの競技を行ない、後半戦がスタートした。

 ハイブリッドシステムを搭載した日野600シリーズでトラック部門に参戦している日野チームスガワラ(菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組)は、このSS(競技区間)を総合13位でゴール。累積順位を総合10位に高めることに成功した。

 この日のSSはリヤドからリエゾン(移動区間)で東北東に106km移動した丘陵からスタート。コースは全体にハイスピードで難易度の高くない砂丘から始まり、砂地のピストやグラベルの台地と変化した。

 後半には道の悪い山間部に入り、最近の降雨でワジ(枯れ川)に水があったり、泥沼化した区間も登場。最後は分岐が多くナビゲーションが複雑な砂地の台地を抜けて、リヤド~ハラド間を結ぶ舗装路に近いゴールに到達した。

水温上昇のトラブルを抱えながらもポジションアップ

 日野600シリーズはエンジンの水温上昇のトラブルを抱えながらも健闘。序盤にパンクが1本あったほか、水温が上がりだしたら停まって冷却水を補給する繰り返しのため若干のタイムロスを喫した。

 だが、前日にインバータ/モーターを交換したハイブリッドシステムは順調で、13位という好成績でステージをクリア。その後220kmのリエゾンを走り、無事ハラドのビバークに到着した。

 1月11日はいよいよ大会の山場となるサウジアラビア南東部の砂漠地帯「エンプティクオーター」へ。シャイバまでの間で113kmの競技が行なわれる。

チームメンバーのコメント

菅原照仁
中間日でエンジンを開けてみて状況がわかったので心配しましたが、走り出したらパワーダウンも感じられず、ハイブリッドも好調で普通に走れました。冷却水を補給する頻度が高くなりましたが、行くしかないです。

染宮弘和
今日のナビゲーションは相応に難易度が上がっていましたが、なんとかミスなくゴールできました。特に終盤のワダチの薄い砂利道でカップ(方位)を見ながら正しいコースを選ぶのがむずかしかったです。

望月裕司
中間日はエンジンを開けたので疲れましたが、メカニックさんたちは2日間徹夜でした。冷却水を補給する頻度が一昨日の3倍ぐらいになってきたので、今後が心配ですが、なんとかゴールまで持つような気もしています。

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