アメリカ・テキサス州を本拠とするグラディエント・レーシングは1月3日、2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTDクラスにアキュラNSX GT3 Evo22でフル参戦すると発表した。キャサリン・レッグとシーナ・モンクという2名の女性ドライバーがステアリングを握る。
グラディエントは金融サービス会社『JGウェントワース』のサポートを受け、チームとして初となるウェザーテック選手権へのフル参戦を果たすことになる。
なお、1月の第1戦『ロレックス24・アット・デイトナ』(デイトナ24時間レース)では、HPDホンダ・パフォーマンス・デベロップメントのファクトリードライバーであるマリオ・ファーンバッハーと、長年グラディエントで活躍してきたマーク・ミラーがラインアップに加わる予定だ。
モンクは下位カテゴリーからGT3レースへとステップアップを果たす。彼女は2022年、IMSAのなかでウェザーテック選手権のひとつ下のカテゴリーにあたるミシュラン・パイロット・チャレンジに出場。JGウェントワース・レーシング・バイ・インフィニティ・オートスポーツのトヨタGRスープラ GT4で、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ、セブリング・インターナショナル・レースウェイでのレースを戦った。
さらにシーズン後半はJGウェントワース・レーシングのFord Mustang GT4のステアリングを握ってパイロット・チャレンジに出場、バージニア・インターナショナル・レースウェイでのイベントではGSクラスの表彰台にも登壇している。
「2023年の私の計画はかなり不確かだったけど、この決定によってさらなる旋風を巻き起こすように感じる」とモンク。
「これとは無関係のことを相談するために、キャサリンに偶然に連絡を取ったのだけど、アイデアが浮かんできて、物事がうまくいき始めた」
「JGウェントワースの継続的なサポートと、私の成長をさらに進めるグラディエントの取り組みにより、私はIMSAウェザーテック選手権参戦という目標に到達し、アキュラNSX GT3 Evo22を誇らしくドライブすることになった」
一方のレッグはかつてメイヤー・シャンク・レーシングに3年間在籍し、初代アキュラNSX GT3をドライブしていた。今回は2019年以来、NSXのドライバーを務める。
彼女は直近では、GTDクラスのチーム・ハードポイントで、ポルシェ911 GT3 Rのプログラムに参加していた。
「GTレースへの転向はアキュラNSX GT3からだったし、その頃の思い出もいくつかあるので、アキュラ・ファミリーへと戻れることに興奮している」とレッグは語っている。
「私はプラットフォームの開発に携わり、HPDとともに達成したこと──とくに2017年のデトロイトでこのマシンに世界初勝利をもたらしたことを、誇りに思っている」
「私は、これまでで最もコンペティティブなフィールドであるデイトナで、再びマシンに飛び乗ることを本当に楽しみにしている」
「シーナはIMSAで最も有望な若い才能のひとりであり、マリオ・ファーンバッハーとマーク・ミラーとともに、私たちは多くの経験と勝利のために戦うことができる。今シーズンの開幕に向けて、これ以上ないほど意気込んでいる」
グラディエントは2022年、ミシュラン・エンデュランス・カップのレースと、ロングビーチ・グランプリに参戦。エンデュランス・カップ最終戦のモチュール・プチ・ル・マンでは、クラス優勝を遂げている。
チーム代表のアンドリス・ライビンズは、「このチームは、新しい才能と古い友人が混在する素晴らしい状態で2023年を迎えることになる」と述べている。
「シーナはIMSAで着実に名を上げており、我々はJGウェントワースとともにGTDにステップアップすることをとても誇りに思う。スポーツカーレースにおける最大の舞台で、シーナに対する彼らのコミットメントに報いることができるようにと望んでいる」
「キャサリンとマリオはNSXのファクトリーレベルで長年の経験を持っているし、マークはグラディエントにおける初日からこのマシンを開発してきた」
「チームのエネルギーは高く、素晴らしいピットクルー、そして昨年10月のプチ・ル・マンでの大きな勝利から来る勢いがある。今シーズンの開幕が待ち遠しいね」