その店舗不動産の一部を所有する西武ホールディングスや、池袋のある豊島区の区長も、池袋から百貨店が減ることに関しては、望ましくないという意向を表明している。この店が今後、どのような形になるかはまだ確定してはいない。
フォートレス側もまだ公表できる決定事項はない、として方向性について示してはおらず、これから紆余曲折があるのかもしれない。
(中略)
今、百貨店から屋上遊園地はなくなり、大食堂のようなレストランもほとんど見かけない。大衆ファミリー層が訪れなくなった百貨店は、極端に言ってしまえば、中高年レディスファッション、化粧品、インバウンド需要(コロナ期は消滅していた)、もしくは富裕層への外商に支えられた偏った店になった。
駅ターミナル、中心市街地の一等地に陣取っていながら、そこを通る人流の若年層、大衆ファミリー層が買い物をしない大型商業施設という、いびつな存在が今の多くの百貨店の姿でもある。
◆「若いころ百貨店を利用していた中高年」は増えない
ちょっと脱線するが、高齢化の進む日本においては、百貨店が狙う中高年市場は拡大しているはずではないか? ということを、しばしば問われるので、説明をしたい。中高齢人口が増加していることと、百貨店ファンの数とはほとんど関係がない。
百貨店ファンの中高年女性とは、若いころに百貨店を利用していた世代(主には団塊世代というのがイメージに近い)が、時代を経て中高年になっているということであり、当たり前だが歳を取れば百貨店を利用するようになるということでは決してない。
今の50代は昭和40年代生まれぐらいだが、その世代でも、もう百貨店を普段使いしている人は多くない。彼らより下の世代が取り込めなかったことにより、昔からのファン層が百貨店と一緒に歳をとり、そして徐々に買い物の主役から退場しつつある。
図表1は50歳以上人口の推移と2000年時点で50歳以上だった人の人口の推移だ。50歳以上の人口はこの20年で増えているが、00年時点で50歳以上だった世代は減り続ける。当たり前だが、新しい世代を取り込まなければ、高齢化とは関係なく顧客層が急速に減少することが示されている。大衆ファミリー層を失った百貨店は、成り行きに任せれば、右肩下がりから抜け出せないのである(外部配信先では図表を閲覧できない場合があります。その際は「ITmedia ビジネスオンライン」内でお読みください)。
1990年代以降、大衆ファミリー層のニーズは分散した。家族の休日を過ごす場所としては、専門店チェーンの集積であるショッピングセンターが、駅ターミナルや郊外に出現したことで、百貨店はその受け皿ではなくなった。
特に広い空きスペースがある地方や郊外においては、広大な駐車場を備えた低層階のショッピングモールが多数できたことによって、百貨店が立地する中心市街地という街のターミナル機能自体が低下した。
百貨店は大型店舗を地域の人流の中心に立地させることで、広域の商圏から広く集客して初めて成立する商売である。そのため、立地する中心市街地自体がクルマ社会化の下で衰退している地方においては、街と共に弱っていくしかない。
東京、横浜、大阪、京都、神戸の特別区、政令都市の百貨店売り上げと、それ以外を地方としてこの25年間の売り上げ推移を比べてみると、2大都市圏に比べて、地方百貨店の減収傾向がひどいことが分かる(図表2、外部配信先では図表を閲覧できない場合があります。その際は「ITmedia ビジネスオンライン」内でお読みください)。
2010年以降コロナ前までに注目すると、大都市圏では減収から増収へと巻き返していたことも見て取れる。これが訪日外国人のインバウンド需要であり、この追い風によって大都市百貨店は一息つくことができた。
この間にも地方では百貨店の閉店が続いており、政令都市以外では百貨店が残る場所がどんどん減ってきた。しかし、コロナ禍の襲来により、この恩恵が消失した大都市百貨店も地方百貨店と同水準にまで落ち込んでしまった。そんな中、大都市ターミナル型百貨店の再開発、建て替えが一斉に進められている。
※以下出典先で
ITmedia
2022年12月26日 05時00分
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2212/26/news057.html
引用元: ・【東京】池袋から西武がなくなる──変わりゆく街と客層、百貨店が消える本当のワケ [七波羅探題★]
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