エステバン・オコンは、アルピーヌのルノー製パワーユニット(PU)は、2022年シーズンにおけるチームの最高の資産のひとつだったと考えている。
ルノーのPUがグリッド上の4メーカーのエンジンのなかで最も非力だったシーズンを終えた2021年末、アルピーヌのCEOローラン・ロッシは、PUレギュレーションの凍結を前に2022年仕様のエンジン開発に全力を尽くすよう指示を出した。ビリー-シャティヨンのエンジニアたちは、ライバルチームとのパワー差を埋めるために、信頼性よりもパフォーマンスを優先するよう命じられた。
結果としてはるかに競争力のあるマシンとエンジンがアルピーヌに誕生した。信頼性の問題が特にフェルナンド・アロンソの結果に影響することもあったが、チームはコンストラクターズ選手権を4位でフィニッシュした。
オコンは、アルピーヌのPUはA522のパッケージ全体のなかでも重要な要素だと考えており、2023年もその状態が続くことを願っている。
「とても優れた、僕たちの最高の資産のひとつだと思う」と最近オコンは語った。
「ブラジルで見られたように、僕たちにはストレートで優れた速さがあった。それにはとても感心したよ。素晴らしいオーバーテイクを決めることができた」
「僕はデータの数字は分からないし、あまりその面には興味がないからエンジニアに見てもらうけれど、間違いなくうまく機能していた」
アルピーヌのエンジン部門責任者のブルーノ・ファミンは、彼のクルーたちがパフォーマンス向上を達成するために「かなり多くのリスク」を取ったと明かした。
「我々が取ったリスクは、エンジンをできるだけぎりぎりまで開発することと、通常なら行う完全な検証プロセスを実行しないことだった」とファミンが説明したと『The Race』は報じた。
「本当に最後の瞬間までプッシュしたかったが、時には少々遅すぎた。いくつか問題があったからだ」
「だが開発サイドでは最大限にプッシュしたかった。シーズン開幕前の非常に遅いタイミングでエンジンに変更を加えることすらしていた。このようにいくつかリスクを取った。我々の戦略は明確だったと思うからだ。パワーユニットの面では上位の戦いに戻ることになっていたが、それは達成された」
ファミンはまた、アルピーヌがスプリットターボ式に切り替えたことの重要性を強調した。それがエンジンの再パッケージ化につながり、シャシー設計チームに決定的な設計上の自由を与えることになった。全体として、A522のパッケージは最適な妥協点に到達した。
「もちろんPUのパフォーマンスは非常に重要だ。しかしPU面で妥協しても、空力とシャシーによって向上できれば、目標を達成したことになる。統合、重量、冷却の観点から多くの作業を行った」
「本当に大きな変化だった。技術理念の変更以上のことで、実際にはエンストンとの仕事のやり方を変えることだった」
ファミンは、アルピーヌが実質的にフェラーリ、メルセデス、ホンダといったライバルたちと同等のPUを備えて2023年に臨むことになると考えている。
「ポジティブなシーズンだった。パフォーマンスの点ではギャップを埋めることができた」
「ルノーはグリッド上のさまざまなPUのなかでもより大きな違いがあった。上位と下位の間では、昨年と比較するとその差は3つか4つに分かれていると思う。我々はそのことに非常に満足している」