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 WEC世界耐久選手権のボスであるフレデリック・ルキアンと、ACOフランス西部自動車クラブ会長のピエール・フィヨンは、2024年の開幕戦にカタールが追加されたにもかかわらず、セブリング・インターナショナル・レースウェイでのラウンドが「計画に含まれている」と主張している。

 12月12日(月)の夜、ドーハで発表されたWECとロサイル・インターナショナル・サーキットとの6年間の契約は、シリーズの開幕戦が2月下旬から3月上旬の間にカタールで行われることを合意するものだった。

 ルキアンは記者団に対し、中東からフロリダまでマシンを空輸するのに充分な時間を確保するため、レース間隔を最低3週間空ける必要があると語った。

「それは何とかするつもりだ」と彼は言った。「正直なところ、正確な答えを出すには早すぎる。しかし、問題はロジスティクス(物流)だ。いまはこれに取り組んでいる」

「私たちはセブリングやアメリカに戻ることができる。もちろん、アメリカは我々にとって非常に重要なので、アメリカでのラウンドをキャンセルすることは問題外だ」

「強調しておきたいことだが、セブリングはいまも計画に入っている。2024年に予定されているんだ」

 ACOのフィヨン会長も同じ意見で、3月上旬のシーズン開幕が可能であることを示唆した。

「セブリングは3月のカレンダーに残るだろう」と、同氏はSportscar365に語った。

「F1がそうであるように、3月初旬にシーズンを開始することは可能だ。ここ(カタール)で3月の初めにスタートし、その後にセブリングというようにね」

■インディアナポリスやロード・アトランタでの開催のうわさを一蹴

 IMSAのセブリング12時間レースの前日にあたる金曜日に1000マイルレースを開催する、というWECとセブリングの契約は、2022年の第3回大会に続いて更新されることが理解されている。

 一方、インディアナポリス・モータースピードウェイやミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタなど、独立したイベントとして将来開催される可能性のある他の多くの会場が、WECアメリカラウンドの候補地として挙げられているのも事実だ。

 しかし、ルキアンはそうした憶測を一蹴し、当面はセブリングが予定されていることに変わりはないと主張した。

「今の問題は、すべての人にとって良いカレンダーを作ることだ」とWEC代表。

「アメリカでのレースがいつ、どのように開催されるかはこれからだ。だが、少なくとも1回は開催するつもりだ。今のところ(他の選択肢について)議論する気はない。現時点ではセブリングのことだけを考えている」

「IMSAとは非常に良好な関係にある。毎週のように彼らと話をしているが、今のところ明らかなのは、我々が中東で開幕することを彼らが知っているということだ」

「カレンダーは年々動くと思う。いまあるものは2年後には違うものになっているかもしれない。我々は2024年に向けて話している」

■契約により2029年まで開幕戦はカタールに

 ルキアンは、2024年から2029年のWECシーズンはすべてカタールで始まることを確認した。バーレーン・インターナショナル・サーキットが1年を締めくくるのと同じように、プロモーターとの“契約の一部”であるためだ。

 一方でルキアンは、2024年にWECは年間8戦に戻るが、シリーズが将来的に9戦か10戦以上に拡大することはないだろうと語った。

「最低でも6時間のレースだから、チームの予算に注意を払わなければならない。当然、ロジスティクスにも注意しなければいけない」

 そう述べたルキアンは、「2022年のカレンダーを見て、いくつかのバッティングを避けるために、年間スケジュールを構築することがいかに困難であったかを考えてみてほしい」付け加えた。