脱炭素に向けた動きが進むなか、絶滅が危惧されている純エンジン車。なかでも、純エンジン車のスポーツカーは法規の都合等で絶滅が現実的なものとなっている。
このような理由もあって「絶滅する前に1度は純エンジンのスポーツカーに乗りたい!」という人が増加。中古車の相場は上昇し、新車においてはオーダーストップせざるを得ない状況になったモデルもある。
そんな純ガソリンエンジンのスポーツカー人気は一時的なブームに過ぎないのか!? 購入検討中の人はいつ買えばよいのか? クルマ好き・走り好きにとって大いに気になるこのギモンについて、国沢光宏氏が解説する。
※本稿は2022年11月のものです
文/国沢光宏、写真/トヨタ、日産、ホンダ、スバル、スズキ、ダイハツ
初出:『ベストカー』2022年12月10日号
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■新型車の登場は2024年くらいで最後
純エンジン車の絶滅が視野に入ってきた。新型車の登場に関して言えば2024年くらいで最後になると覚悟しておきたい。
継続生産だったとしても2027年あたりに法規対応で終了しなくちゃならない。2024年に発売した新車は3年しか販売できないということになる。
その後、ハイブリッドのみ販売が許され、戦争など大きな社会の変化がなければ2030年代の中頃まで新車を買えると予想。
ハイブリッド車に関して言えば急ぐ必要なし。
さて純エンジン車である。一番急ぐ必要あるのはすでに絶滅危惧種になりつつあるマニュアルミッション車。
スポーツカーや軽商用車を除けば、ここですべてのモデルを紹介できるくらいになってしまった。
以下、並べるとカローラアクシオ/ヤリス/シビック/大半のマツダ車/スイフト/ジムニーのみ。
今やハイエースまでAT車しかラインナップしなくなってしまった。スポーツカーや軽商用車もハイブリッドの時代になったらマニュアルミッション車はなくなる。
「クルマ好きならぜひ1台くらいマニュアルミッション車を持っておきたい」ということなんだと思う。
ここにきて新車は入手難。すぐ買える中古車といえば相場も上がってきた。中古車検索サイトを見ると驚く! 例えばWRX STIの最終モデルを探すと、軒並み600万円オーバー!
なかには800万円超えの売り物さえ出始めているほど。新車の価格をはるかに超えた相場で取り引きされており、勢いは収まらず。
さらに人気なのが新車だ。
ハイブリッドや電気自動車の時代になってもスポーツモデルは存在するだろうけれど、やはり純エンジン車の乗り味とまったく異なる。
特にマニュアルミッション車についていえば、これまた2027年に終売の可能性超高い!
すでにフェアレディZは、おそらく2027年生産分までバックオーダーを抱えてしまったと思う。もはや売り切れということ。もしかしたらキャンセル車など出てくるかもしれませんが。
ギリギリの状況にあるのがシビックタイプR。受注停止こそしていないものの、いつオーダーストップ掛かっても不思議じゃない受注状況のようだ。
ホンダは増産を計画しているようだけれど、相当の確率で遠からずいったんオーダーを中断すると思う。
タイプRが欲しいと考えているならタイコ判を推しておく。この回を読んだらすぐディーラーに行くべき。
幸せの女神には後ろ髪がないという。すれ違うときに短い前髪を掴まなくちゃダメ(笑)。
遠からず厳しくなりそうなのがGRヤリスと86/BRZ。徐々に納期長くなってきており、今や2024年に入る可能性大。
絶版確実が周知されたらもっとオーダー入るため、少なくとも2023年中に決断すべき。
そのほか、ロードスターやスイフトスポーツあたりも次世代モデルに純エンジン車のマニュアルミッションがあるかとなれば、雲行き怪しい。
買っておけば金利の付かない定期預金しておくより有利かもしれません。インフレになると有形の財産が強いです。
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